【Report】「NTE」開発元の完美世界、まさかの赤字転落も「問題ない」と判断 長期ゲーム運営に隠れたお金のカラクリ

 2026年8月19日、中国のゲーム制作企業である完美世界股份有限公司(以降:完美世界)は決算を発表。その中で2026年上半期の売上高を27.51億元(約650億円)と計上。前年同期比25.47%減となっており、親会社株主に帰属する純損益は1.18億元(約28億円)の赤字となったと発表した。

 現在「NTE:Neverness To Everness」がリリースされており好調ぶりが話題となっているだけに、この報告で一瞬肝を冷やした諸氏もいるのではないだろうか。だがこの情報は実際のところ「正しくある上で、過剰反応する必要はない」ものとなっている。そのカラクリを軽く紐こう。

完美世界の実際の様子はどうなのか?

 まずは先程の売上高と純損益に絡む数字をもう少し追ってみよう。台湾の経済情報サイトである「Biggo Finance」によると、売上高は27.51億元(約650億円)、純損益は1.18億元(約28億円)だがそこにもう少し要素が付け加わる事になる。報告期間中の販売費が10.32億元(約240億円)と前年同期比213.05%の急増となっているのだ。ここまで販売費が膨れ上がったのは、言うまでもなくNTEのリリースに対する宣伝・広告費用が大きく関係している。

 そのうえでNTEはリリース後、初日で1億元(22億円)の売り上げを早々に達成。6月30日時点で世界累計売上が14億元(約330億円)以上、8月18日時点では20億元(約470億円)以上と非常に好評で、公式チャネル経由の累計売上比率は60%近くといわば大黒柱としてしっかり成熟している形だ。そうなると、この売り上げはどこに消えてしまったのか?と疑問を抱くユーザーもいるだろう。

 カラクリはこうである。作品をリリースする際に掛かった宣伝広告比などは一括して、当期の支出分としてカウントされる。一方でNTEの様な長期に渡ってサービスを展開するゲームタイトルの場合、売り上げに関しては特殊なルールが適用される。

 リリース以降の初動、ないしアップデートにて一時的に「ハネる」売り上げがあったとしても、ゲームそのものは買い切りではなく長期運営が前提とされている。そのため、短期で全額計上を行わず、長期的なスパンで売り上げを計上する事になる。要はいっときの会計に全部ブチ込んで黒字万歳とするのではなく、今後開発を維持する上で初期に発生した売上高を黒字分として段階的に分配するのだ。いわば「ライフで受ける」分を増やすようなもの

 実際のところこの数字予測は既に公式サイトからアナウンスされており、完美世界側は6月30日時点で上半期の業績予測を開示している。実際赤字額がそこまでかけ離れていないだけあって、概ね公式の予測通りに事が運んでいるといっていいだろう。

https://www.wanmei.com/wmnews/wmnews2026/20260716/263191.shtml

 今後も同タイトルはアップデートが控えており、現状それが失速する傾向を見せてもいない。V1.3ではストーリーで激戦を繰り広げた「残虹」が追加。更に今後、良きサポート役として指示をくれた「クロバネ」が実装される事も公式アカウントでアナウンスされている。正直なところおサイフ持たないんですよねコレ。鑑定士のファンスはもうすっからかんなんですよ。

 また完美世界側も手をこまねいて見ている訳では無い。次なるタイトルとして『夢幻新誅仙:軽享』 『コードネーム・普洱(プーアル)』、『コードネーム・MT1』、『コードネーム・J1』、『コードネーム・F』、『コードネーム・U1』、『コードネーム・ZH』などの開発を進めているとのことだ。実際NTE程の大型タイトルがどこまで出てくるのかは分からないが、少なくとも一本柱のみで収益を確保し続けるような体制にはしない意図が見て取れる。

 NTEは現在モバイルを始め、PCでも公式クライアントが用意されている他、Steamでも配信中だ。是非この機会に大ヒットしている本作をプレイして頂きたいところである。

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