【News】「JSP3」の配信中に発生した「謎のバグ」 令和のネット怪談発生に立ち会ったか

 ゲームの中でも小規模開発のインディーズ系タイトルが勃興する中で、ホラーゲームもその枝葉を伸ばしつつ多種多様な形態を見せている。オーソドックスなアクションホラーからリミナルスペース要素を含んだ不条理もの、多人数協力系やビジュアルノベルなど多岐に渡っているのが現状だ。

 そんな中で、指定された場所の状況をチェックしつつエラー要素を訂正していく「監視モノ」的なジャンルもまた流行りつつある。その一つ「JSP3 日本事故物件監視協会」において、とある配信者に起こった奇妙なトラブルがネット上でちょっとした騒ぎとなっている。今回の記事では同作を簡単に説明するとともに、実際にあった要素を少し紐解いていこう。

実際に何が起こったのか

 今回話題となったのは、多次元VTuber&Vsinger「柘榴シロ」氏の配信だ。配信していたタイトルは、先述した「JSP3」である。以下に配信動画を引用しているが、最初のうちは正常にゲームプレイ実況配信が行われている。そして当該動画の50:48あたりから51:01頃が異常発生の時間帯となるので、まず見ていただきたい。くれぐれも音量に注意した上で、目を離して明るい部屋で、心に余裕がある時の視聴を確認をオススメする。

 今回対象となったJSP3について軽く触れておくと、同作は実際の廃屋の様子をベースにした監視作業をベースとするタイプのホラーゲームだ。元の様子とは明らかにおかしい要素「異常(異常現象)」を報告していく。スタートの午前0時から規定時刻である朝5時まで異常を一度に規定数蓄積することなくく、また誤報告数を超えたり時間制限式の異常を食い止めつつ、監視・報告をして耐え凌げばクリアーだ。異常の種類もあからさまなホラーから本当に分かりにくい小物の変異まで、非常に種類が豊富だ。異常さんもうちょっと手加減してくれません?

 さてこのトラブルだが、ゲーム内で発生する要素とは明らかに性質が異なっている。恐らくバグとされるものも含めて、次はそちらを見ていこう。

ソフト側の演出やトラブルではないという可能性

 1つ目は「しぐなる」氏のX上のPostだ。このポストでは画面切り替え時に左下に影のようなものが映り込んでおり、これがバグではないかという見方がされている。

 もう一つは「teRu」氏のポストだ。こちらでも同じ洗面所エリアへの画面遷移の際に、左上に黒い影の球体のようなものが出ているとの報告がされている。

 二つとも見てわかる通り、ゲーム内の動作としてこれが発生している。恐らく画像ないし元となった素材において、映り込んだ物体の処理が甘いという可能性、もしくは単に画面処理のバグで片付けられそうな内容であり、今回のトラブルと比べても一瞬で終わってしまうものだろう。なお、この異常が発生する物件においては他にも「一瞬だけ人影らしきものが映り込む」という演出が起きており、これはユーザー間で異常として報告が出来ないことからバグではないかと騒がれている。

 また、公式のX上では「赤いモヤ」に関するPostが上げられており、こういったものであれば「トラブル」として公式が認識・発表していることになる。もちろんこれが公式チームの単なるマーケティングであるかどうかまでは、各人の判断によるものだろうが。

 だが、今回発生したトラブルはこういったものとは訳が違う。今度はその仕組みを見ていこう。

配信ツールを貫通するトラブル?

 まずは以下の画像を見てほしい。これはメジャーな配信ソフト「OBS」で配信を行う際の設定をかなり簡便にだが再現したものである。キャプチャーしたウィンドウの上にキャラクターの画像が映っているのが分かるだろう。

 キャラクターを表示して配信を行うには、画面左下のように「ウィンドウキャプチャ(もしくはゲームキャプチャ)」よりも「アバターや画像データ」の表示順位が上に来るように調整する必要がある。そうでないとキャラクターの上に画面がかぶさってしまい、せっかくのアバターやキャラクターが表示されないままゲームが垂れ流される悲劇が発生するのである。何敗しましたかねこれ

 そのうえで、たとえばゲーム本体にトラブルが発生したとする。しかしその場合、配信が継続しているならばアバターないし画像は動き続けるし、少なくとも配信者の声はきっちりと録音されている。また仮にゲーム自体の演出としてトラブルが起きたように見せていても、実質的に問題なく内容は進行する。

 だが今回の現象は、視聴者サイドでは「アバターすら見えず、画面いっぱいに赤い表示が出て、音割れの様なノイズ」が発生している。その一方で、映像が復帰した際の柘榴氏は特に慌てた様子もなく、まるで「何も無く配信が継続されている」かのような様子であった。つまるところ、ゲームでもなく配信の回線トラブルでもなく、録画配信そのものを行う配信ソフト側で一時的なエラーが発生した可能性が高い。いわば「配信ソフトまで貫通するトラブル」だ。

一方で、「意図してこういったエラーのような切り替え作業を起こし、あたかもゲームの演出のように見せた」可能性については、柘榴氏の表明Postを見る限り、低いと考えて然るべきである。

 現状公式サイドからの発表を待つ形であり、今回のトラブル自体がハードウェアに起因する単なる偶然であるという可能性は高いだろう。それでもこのソフトが配信されている時に発生した、原因不明のトラブル。心霊現象を題材とした作品だけに、ネット上では新たな怪談の発生にざわついている状況だ。まだしばらくこの「不安の種」は界隈を騒がし続けるだろう。

 日本事故物件監視協会3は現在も配信中である。

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