【Play Review】「デカノモス」プレイレビュー:色々「でっかい」がバランスもだいぶでっか味な挑戦作

 最近流行りの漫画でも出てくるでっかい表現は、世のゲーマー諸氏にも当てはまる人が多いだろう。体格が立派であるというのは、それだけで強い魅力を持つものである。そんなゲーマーたちに贈る同人ゲームがこの度世に出ている。それが、イラストレーター「めろん22」氏が手掛けた作品「デカノモス」である。タイトルからしてでかそうだが、実際にクリアまでプレイした手触りを軽めにお届けする。なお、今回使用しているソフトのバージョンは9/7 15:00更新分の「6000.1.17.47571」だ。

ともかく「でっかい」登場人物たち

 舞台は「プロミシア」という世界。この世界には「書き手」と呼ばれる超常的な複数の存在がおり、彼らはその理を10冊の魔導書「デカノモス」をしたためた。この書物は記された通りに豊作や災害を発生させる力を持ち、その特殊せいから人々が畏敬の念を抱き、ついには各デカノモスに応じた宗教を立ち上げるまでに至っている。いわばデカノモスは、世界の運行図とも呼ぶべき代物なのである。

 だがこれに反旗を翻したのが、主人公「セラフィネラ」。「炎」のデカノモスである「ガヘレット」を手にした彼女は、作中開始時点で既に半数以上のデカノモス所有者「レクトル・マグヌス」を葬り去っている。そんな彼女が「光」のデカノモス所有者「オードナレア」の拠点に攻め入るところから物語が始まる。まずは以下のSSを見てほしい。

主人公「セラフィネラ」

でっかい。

主人公の無二の親友「オードナレア」

でっかい。

主人公の協力者「ペトロネウス」

でっかいのである。

 なんなら途中で出会う敵キャラクター「エキナギル」もでっかい。なおそれ以外の存在、具体的には男性や一般人、兵士などはとことんビジュアルが省略されており、主要キャラクターにのみフォーカスがあたるようなキャラ造形となっている。セラフィネラ並みに大きいエキナギルは、こんな見た目で少女のような高い声かつ魔力の投擲剣の様な攻撃を主軸とするシーフタイプだし、ペトロネウスは説明不要の規格外、セラフィネラの無二の友人オードナレアは負けず劣らずのサイズ。

こんな見た目でスピードタイプの「エキナギル」

 そう、でっかいキャラしかいないのである。流石はめろん22氏デザインのキャラクターたちだ。ここはこの作品で外せない大事なポイントである。

ゲームバランスはとても大味

 さて本作のゲームとしての手触りに移る。操作するキャラクターは「攻撃」「回避」「スキル」「奥義」の4つの動作を主軸にして戦いを進めていく。このゲームはぱっと見、1面の印象から「攻撃を攻め手にするタイプのゲーム」という作品に見えてくる。ある意味その判断は正しいが、次の2面からその戦略は脆くも崩れ去る事になる。2面から出現する昆虫の様な「狡猾な蟲」、そして最深部にいる緑色の騎士の様な敵対NPC。この二者が早々にプレイヤーの心を折ってくるのだ。

ここが問題の森

 というのも、このバージョンでの話になるが敵がともかく「ジャンプ」するのである。敵によっては、そこから落下攻撃を仕掛けてくるのだが、この行動がとんでもなく強い。まずこのゲームでは、攻撃を被弾した際の「無敵時間」が無いのである。操作キャラは敵の攻撃を受けるとヒットストップが発生するか、もしくは打ち上げられるダウン状態となる。ダウン状態では一定時間行動不能となってしまうが、この際になんと「無敵状態ではないので、追撃が入る」というタコ殴られ上等のバランスとなっているのだ。

 そして2面の騎士はこちらのいる場所を執拗に攻めてくるため、一度ダウン状態となった後に落下攻撃され、更にダウン状態が継続する…という、連撃を非常に貰いやすい状況となってしまう。こうなるとHPがモリモリ削られ、あっという間に体力が尽きかける事になる。

 もちろん救済に近い要素はあり、HPが半分を切ると「BREAK!」という表示がキャラアイコンの近くに出てくる。このブレイクモード時は攻撃力にある程度の補正が掛かるため、一発逆転が出来るかもしれないのである。

 だがこの作品はそう甘い設定ではないのである。こちらの攻撃はほとんど敵に怯みを与えられず、操作キャラのスキルや奥義はそのまま出しても大体は出した瞬間に攻撃を受けて怯んでしまい、結果出すだけのアドバンテージがない。つまり、こちら側がとても不利なのである。この状況をどうやって崩すのか、分かるまではとんでもなく理不尽感が強いだろう。こちらにはガードやジャスト回避の様な、敵の攻撃を受け流して切り返す手段が無いのだから、なおのこと攻めにくい。だがこのゲームはきちんと「クリア可能」な難易度なのである。その攻略法を紹介しよう。

敵を効率よく撃破するコツ

 まず1つ目は、敵が行動する際の「予兆」に注目する。より正確には、敵が特定の状況で「剣が交差する様な黄色いアイコンと領域」を出す時がある。この際に攻撃を当てると、敵とこちらで鍔迫り合いが発生。恐らくは連打すれば競り勝つ事が出来、敵を強制的に吹き飛ばしてダウン状態に持ち込める。

この「予兆」に攻撃を当てて競り勝つのが撃破のコツ

 次に2つ目として「ダウン属性の攻撃」を当てきる事を意識するのも大事になってくる。通常攻撃の3段目やセラフィネラのスキルは敵を吹き飛ばす効果を持っており、そのままダウン状態へと移行させることが出来る。敵の攻撃の中で比較的隙が少ない、先述の予兆動作に差し込む形で殴るような形で攻撃を当てるとちょうど良いだろう。

 3つ目は「召喚」を活用することである。アイテム枠にある「召喚」には、そのフィールドの魔物をお助けキャラクターとして召喚する事が出来るのである。筆者のオススメは先述した「狡猾な蟲」だ。このNPCは積極的にジャンプを行い、上空から追尾性能のある連射攻撃を行う。つまり、敵からの攻撃を高度差を利用して回避しやすく、ある程度攻撃を命中させる事が期待できるのである。というかラスボスも最終的に召喚出来るんですが、この狡猾な蟲よりも働きませんしすぐ撃破されるんです。味方になった途端にサボってません?

今回のMVP「狡猾な蟲」。ホントよく働いてくれます

 なおこの召喚のための合成は2面をクリアすればよく、その先の3面でいよいよ強敵と対峙する事になるため、仲間にしておいて損はない。また召喚対象となるNPCは装備時に能力値を上げる事もある。レアクラスが出れば儲けものだ。

 そして4つ目は、拠点の発展だ。ゴールドを稼ぐことで拠点内に様々な施設を置くことが出来、これを行うと徐々にプレイヤーキャラクターの能力が上がっていく。目安としては「現在挑むステージ数の分だけ、安い方からでも施設をアップグレードする」事をオススメする。召喚を行った際の同行NPCにもプレイヤーと同様の強化が施されていると見られるため、優先的に設備を強化するのもアリだろう。

設備を整えてパワーアップを図ろう

 更に一部の施設では、オプションから着衣の設定を変更することでシャワーや温泉といった設備も利用できる。とはいえそれはそれで大変なことになってしまうため、配信などを行う場合は設定を脱衣ナシにする事をおすすめする。

 なお、敵がダウンした状態だとスキルや奥義が命中する。奥義の射程はキャラクター3人分程の前方、キャラクター1人分の横幅位が対象範囲となる。発動しさえすれば命中がほぼ確定するため、状況を見極めて繰り出すのが良いだろう。ダウン時にここぞとばかりに攻め立てるのである。

一通りクリアすれば3人のデカノモス所有者も使えるようになるので安心だ

とりあえず荒削りのでっかさで次回に期待

 アクションゲームとして見るとまだまだ大味な要素は多い「デカノモス」だが、何よりもめろん22氏のキャラクターを間近で見る事が出来るでっかでっかなゲームという点では非常に価値がある。そこにどれだけのでっかさを見出す事が出来るかで、このゲームの評価は大きく変わってくるのかもしれない。デカノモスは9月19日まで、25%引きの990円で購入可能だ。是非でっかい物を見たい方は手にとって欲しい。

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