2026年9月17日から20日まで、千葉県千葉市の展示会場である幕張メッセにて、ゲーム業界の展示会イベント「東京ゲームショウ2026」が開催されている。今回株式会社バンダイナムコエンターテインメントのブースでも数多くのタイトルが展示されていたが、本記事ではフライトシューティングゲームである「ACE COMBAT 8:WINGS OF THEVE(エースコンバット8:シーヴの翼)」を取り上げていく。
進化する空の表現と「重さ」
今回試遊版でチャレンジ出来るのは3種のミッション。それぞれ「チュートリアルを含む空戦」「港湾の対空・対艦戦闘」「超大型輸送機撃墜」を主軸としている。筆者が選んだのは港湾を舞台とした2つ目のミッション「序数艦隊壊滅戦」で、その名の通り「序数艦隊」として組織されている、特定の作戦目標に従事するまとまった艦隊の撃滅が目標となる。

今回のブリーフィングは今までにもまして指示のアニメーションが綺麗であるうえに、色々と周りから茶々が入るのは前作「ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN(以下、エースコンバット7)」以上に聞いていて楽しさを覚える内容だ。とはいえ主人公「レックス」達が所属する部隊「ジョーカー隊」は決してお気楽な環境ではない。彼らが所属する中央ユージア連合(以下FCU)の軍事組織であるFCU海軍は、壊滅寸前の状態での反攻作戦を余儀なくされているのだ。

そしてこのミッションで敵に回るのは、恐らくジョーカー隊の面々と接点があったであろう部隊「シャーク隊」。彼らの言葉の端々からは、元々敵対関係にはなかった事がうかがえる。あまつさえ戦闘中に、この作戦の舞台となるニューフィールド島で暮らす「家族」の話を持ち出してくるという、これまでにないキャラクター像をしているのだ。
空の重さ
早速機体を動かして分かるのは、これまでの機体の動きとは明らかに違う「ぬるつくような重さ」が掛かる点だ。過去作のように割とキビキビした挙動ではなく、きちんと流体の中を泳ぐような、それでいてある程度曲芸じみた旋回が「嘘にならないレベル」で両立する、独特の重さを持っている。

制作チームが意図しているかは不明ではあるが、筆者の手触りとしてはエースコンバットシリーズの初プレイ作である「エースコンバット3 エレクトロスフィア」の初期辺りの機体に近しい、あの独特の重い挙動が帰ってきたと懐かしい気分にさせられたものである。だからこそ無茶な挙動をすれば、即座に海面や建物、陸地に突っ込みかねない。これまで以上に丁寧な飛び方が要求されるだろう。
頼れるぐらいに強い味方たち
今回はPS2の「エースコンバット5」のような「僚機指示」が復活している。作戦前の僚機選択システムと合わせて過去作に近しいフィーリングを覚えるが、当時あんまり働いてくれなかった僚機たちとは大きく違う。分散攻撃を指示すれば的確に敵機を撃破していき、援護を指示すれば「そっちに追い込んだぞ!」と無線をくれ、文字通り敵機を撃墜しやすい位置まで持ってきてくれる。
筆者としてはこれだけ凄まじい挙動の良さに、いよいよ「僚機が僚機してくれている…!」と感激したが、裏を返せば僚機にスコアを持っていかれないかどうか少し心配になる程に強いのである。下手にうかうか飛んでいれば、名ばかりの1番機になってしまうかもしれないだろう。それほどまでに味方が心強いのだ。
戦場を彩る光と音の重さ
そして何より感じたのは、これまで割と派手な色彩に振っていた過去作の戦闘の様子ではなく、色合いが重々しい調整となっている点だ。あわせてミサイルの発射音、撃破音もリアル寄りになっており、非常に「生々しい」感触を味わわせてくれるような音響にもなっている。
敵味方の無線も過去作同様かそれ以上に入り乱れ、刻々と戦場が変わるものの休ませてはくれない。序盤のミッションで対艦攻撃を行いやすい装備にしているからといって、機体に当たる対空砲火の弾やかすめるミサイル、敵機が落ちる音は、これまでのような戦場を楽なお使いの場にさせてくれないだけの迫力を持っている。

支払うべき「戦争の責任」の所在と、明らかになりつつある過去作との繋がり
今回の試遊でなんとか序数艦隊を撃破出来たものの、その手触りは非常に重くリアルで、これまでのような「爽やかな空戦」とは程遠い「戦場」を感じさせるものであった。前作であるエースコンバット7では、後半に差し掛かると民間人への無差別殺戮が行われた現場や、主人公たちのやむを得ない民間人拠点への攻撃など、スポット的にではあったものの戦争行為とその状況を自覚させるような局面は確かに存在していた。しかし今作は4ミッション目でこの重たさである。今後これ以上に心労を掛ける展開になること請け合いなのは確実といっても良いかもしれない。
今回のTGSと前後して発表された公式監修映像作品「HOUR ZERO」では、第2回において侵攻してくる敵国・ソトア共和国の軍幹部が登場する。負傷し病院に連れてこられた彼は、終始「約束の地」を狂信する様子を見せ、情報を引き出される前に自決を完遂するというとんでもない行動を見せるのであった。加えて公式サイトやX、他の紹介記事で明らかになる、陸上戦艦や攻撃衛星など、あからさまに大量虐殺を是としかねないレベルの過剰な火力や運用性を備えた兵器を操るソトア軍の戦力。エンソー・オーダーなる両陣営に武器を供給する謎の企業の影も見え隠れし、いよいよ絶滅戦争でも起こすのかというシナリオを予想するユーザーも見受けられる。
これと呼応するかのように、エースコンバット公式のX上で一機の参戦機体の情報が明らかとなった。それが「FA-36 Game(ゲイム)」。その機体形状は詳細こそ異なるが、作中世界「ストレンジリアル」の年表上でエースコンバット8と近しい未来「エースコンバット3」に登場する「XFA-36A ゲイム」とほぼ変わりない見た目をしているのである。
エースコンバット3上での世界は「国家というものが消滅し、企業『ゼネラルリソース』が世界を実質的に支配している」という企業統治時代となっており、対抗する科学技術企業「ニューコム」、その仲介役として張り子の虎と揶揄される平和維持組織「UPEO」が、エースコンバット7や8の舞台であるユージアに展開している。先述したXFA-36Aはゼネラルリソースの最新鋭機体として、作中終盤に登場する機体なのである。
なお全くの推測にはなるが、試遊でも選択できる「MiG-29A」「Typhoon」はそれぞれ、エースコンバット3では初期機体として発展型が用意されている。その上両者共に初期機体ゆえに「重い」挙動をしている。試遊で選択できる機体である両者は少なくともある程度の機動性を備えている上に、他の機体も戦闘機やマルチロール機であればそう変わらない機動力を持っている。だがいずれの機体ももし「重い」挙動であるならば、エースコンバット8の空は非常に3に近いものと言えるだろう。

そしてエースコンバット3といえば話題となる「電脳化」技術。肉体を捨てて電脳世界で生きる要素も同作では話題となったが「ソトア軍にはびこる『約束の地』信仰とはこの技術の恩恵によるものではないか?」と深読みするユーザーも見られる。だが現状では、それがどういったものであるのかは明らかにされていない。企業が国家を凌ぐという筋書きよりは、先述したような絶滅戦争まがいの荒廃の結果、ソトア軍は肉体を捨て約束の地に至る事に成功したが、残りの人類たちにより、企業に国土運営の手が委ねられてしまうという展開もあり得なくはないだろう。最も、これらは全て推測である。
発売が待ちきれないACE COMBAT 8:WINGS OF THEVEは2026年10月2日発売だ。「DELUXE EDITION」では3日前の9月29日午前7時(日本時間)より先行プレイが出来る他、コレクターズBOXやACE of ACES BOXといった別の限定版では垂涎モノの「設定資料集」が付属するという。是非チェックしておくと良いだろう。
ACE COMBAT 8:WINGS OF THEVE™& ©BANDAI Namco Entertainment Inc.
