2026年秋頃のX上のトレンドに、しばしば可愛い動画が流れて来ている。ソーシャルゲーム作品「ブルーアーカイブ」に登場するキャラクター「天童アリス」。
彼女の非公式ファングッズであるハンドパペットを撮影した動画が、にわかにブームとなりつつある。はちゃめちゃに動くその様子は「人形浄瑠璃みたい」と評されるに至っている。
この記事では、いわゆる「ぬい活」の流れや人形浄瑠璃そのものにも軽くフォーカスしながら、最近話題となっているこの現象を追いかけてみよう。
めっちゃ動くアリスの可愛さ
まずはこちらの投稿をご覧いただきたい。
複数のアカウントでハンドパペットのアリスがわちゃわちゃと動く様子が挙げられている。このハンドパペットは「dada008」氏製作のファングッズであり、購入には海外のサイトを経由する必要がある。
氏のパペットを用いたアリスの動く姿は、結果として大きな注目を集めることとなった。何と言ってもその特徴は「動き」にある。胴体、頭、両腕をがんばれば独立して動かせる仕様であり、これは動かす側の技量やカメラの構図に左右されるが、ともかく子供のようにはしゃがせる動きを可能としているのである。
モチーフキャラクターの天童アリス自身が屈託のない子供のような性格で好奇心旺盛な気質も相まって、率直に場所やコンテンツの紹介をする事に違和感が無いのもこのムーブメントを後押ししているといっていい。
ぬい撮りやアクスタでの推し活ブーム
ここ最近のSNSの活用法の一つとして広まって来ているのは「ぬい撮り」「アクスタでの推し活」だ。これはぬいぐるみやアクスタを合わせた風景撮影を主としているものの、最近ではその幅も広がりつつある趣味である。
ケーキとか混じっているのはこの際置いておいて、こういう構図で写真を撮る流れはここ数年増えてきている。こういった投稿では、いわゆる「ごらん構文」と一部で称される文体を使ったりし、写真にオチを付ける様式美を加えることもある。
翻って、推しを使ってのコンテンツや風景などの紹介を行う草の根の口コミコマーシャルとしても有用である。そのため企業も積極的にこの構図を使ってきている状況だ。ケーキといいシャウエッセンといいベーコンポテトパイといい食い物が多いな…

オブジェにキャラクター性を持たせる「人形浄瑠璃」
次にこちらの投稿をご覧いただきたい。
人形浄瑠璃について軽く触れると、今日では「文楽(ぶんらく)」とも呼ばれる総合芸術がこれにあたる。ユネスコからは無形重要文化財としても指定を受けているもので、語り手の太夫・音楽を受け持つ三味線・そして演者たる人形が一体となった演目が特徴だ。
そこで用いられる人形は文楽人形と呼ばれ、三人一組で「歩く」「立ち上がる」「座る」のような大振りな動作と「頭や手足を動かす」「口やまぶたを動かす」といった精巧な動きを両立させている。すごく乱暴な表現にはなってしまうが、現代で言う「フェイストラッキング入りの精巧なバーチャルYoutuber」のようなものだ。
今回人形浄瑠璃と評されるに至ったのは、限定的ながらも「アリスらしい動き」を個人で表現できるハンドパペットの作りにある。手を曲げたり腕を引いたりといった動作が行えると共に、頭と髪の毛、身体がそれぞれ異なるタイミングで動くことで躍動感を出している。やや正確ではないにせよ、「最も言いたい事を捉えている」表現といってもいいだろう。
ハンドパペットにブームが来るか、27年もののうしくんの哀愁
こういった流れでにわかにぬい活やハンドパペットに注目が集まっており、この手の投稿がどんどんと増えつつある状況だ。
X上で流れているこの穏やかな話題だが、こういったジャンルにおける先駆者はどうしているのだろうか。ハンドパペットを用いたネタでお馴染みの「パペットマペット」氏のアカウントにて、今の「うしくん」の様子が確認出来たので引用させていただこう。
ハンドパペットにはこんな使い方も出来る、そんなほっこりしたムーブメントであった。
