2026年10月2日午前7時より、3Dフライトシューティングゲーム「ACE COMBAT 8:WINGS OF THEVE」が発売(正式リリース)される。本作はバンダイナムコエンターテインメントが提供するエースコンバットシリーズ最新作ではあるが、デラックス版などを購入したユーザーを対象に、9月29日よりアーリーアクセスでプレイ可能となっており、現在オンライン/オフラインに多くのユーザーが詰めかけている。本記事ではエースコンバット8の魅力をレビューという形で、幾つかの項目に分けてお届けする。なお執筆時間は一時間も無い上に、キャンペーンが終わったのは深夜なので凄いテンションで文体が崩れることをご容赦頂きたい。
そしてこの記事には多大に「ネタバレ」が含まれている。その点に留意して、お読み頂きたい。
戦闘機アクションとしての評価は「ユーザーに寄り添ったゲーム」
すでに関連記事でも出しているが、エースコンバットシリーズとしては本作は非常に初心者に優しい。操作方法も直感的に動かしやすいSTANDARD操作を実装しており、また難易度もダメージが低下しミサイルが無限に撃てて、地形接触で一撃死しない「ROOKIE(STORY)」を実装。正直なところそこから先の難易度とは展開が変わらないため、慣れていないユーザーでも「慣れれば飛べる」レベルとなっている。
またこれまで、特に前作エースコンバット7でさんざん言われていた「ブリーフィングの内容と作戦中の目標の不一致、あるいはマルチロール必須化」という例は今回見られない。ほとんど全てのミッションで、高いレベルの対空対地両面を求められ続けることが無い。長期戦でも補給可能な帰還ラインが設けてある作戦も多く、作戦に沿った武装を展開していけばクリア出来るだろう。

前作にはあった多様な悪天候も今回はなりを潜めており、また風の影響もそこまで飛行に及ぶことがない。そのため非常に飛びやすく、また雲を敵ミサイルなどからの遮蔽として利用しやすいバランスとなっている。積極的に雲を使用し、敵からの追撃をかわす事がやりやすくなっているのはありがたい調整だ。

そしてミッション進行も非常にバランスよく出来ている。対空ミッションが序盤3つ続いた後に、ようやく対艦攻撃ミッションである「序数艦隊壊滅戦」となるのである。空戦の基本が出来たところで、次のステップとして対艦戦闘を行わせる丁寧さが光る。しかもそこまで強烈な難易度ではないので、不安なときの反復練習にももってこいのミッションである。シャーク隊は毎回落とされる

作戦中のチェックポイントも豊富で、落とされてしまったりしても「ここから巻き返せる」となることがとても多い。後半になればなるほどミッションの内容は厳しくなっていくが、チェックポイントも豊富にあるのでクリアランクにこだわらなければ、諦めずにクリアまで粘ることが出来るのである。総じて「ユーザーに優しい」タイトルに仕上がっており、7のような「強烈な難易度や面倒くささ」が解消されているのは、本作の強いオススメポイントだ。そして今回もちょこっとだけあります、強制トンネルくぐり的ミッション

ブリーフィングやドラマシーンが見せる「戦争と『真実』の行方」
今回は過去作以上にブリーフィング、そしてドラマシーンに力が入れられている。基本的にムービーはプレイヤーの視点で展開されており、今までのような「第三者的なカメラ」から撮られたような構成ではない。あくまでも主役である「レックス」の目線から物語を追うことがとても多く、いずれのシーンも臨場感たっぷりでお届けされている。

ブリーフィングについても同様で、これまでのような独立したワンシーンとしてではなく、登場人物の介入やブリーフィング自体が不成立となる演出など、作戦に対する重要な内容が含まれているだけでなく、物語の一要素としてきちんと機能しているのである。これは今までの作品以上に踏み込んだ演出と言って良いだろう。
ドラマシーンはエースコンバットらしからぬ「地上」でも展開され、中盤にとある人物と邂逅する際のシーンはこのゲームが本当にフライトシューティングゲームであったのか?と忘れさせる程である。


戦場で邂逅する本作での敵エースは、ソトア空軍の「ルクス・ルーナエ隊」や、その大半が元同僚や同じ軍であった「元FCU所属の軍隊」などが中心である。特に元身内である相手との交戦や遭遇が非常に多く、その上で大体は不信感を抱かれたり敵対したりと、主人公が属するFCU(中央ユージア連合)はロクな縁に恵まれなかったのだろう。そんなエース達との邂逅を経て、少しずつ主人公達は「縁」をつなげていく。


プロローグ映像を目に穴が開くほど見た人も多いだろうが、この作品は「情報が作り出す『虚像』」「それにすがるような戦争の暴力性」「孤立した人々同士で見えるものが違う」という下地のうえに、「一体何が真実であるのか」「誰を信じればよいのか」という、現代の戦争では避けて通れない命題を主人公たちに突きつけていく。
ストーリーの最終局面では「本当の敵は何であったのか」が明らかになり、「誰が戦争を望んでいたのか」ということが浮き彫りになる。そこにあるのはいわゆる勧善懲悪でもなければ、悪に堕ちてしまった聖人の話でもない。「人々が信じる真実が、空を通して希望を繋ぐ」物語なのである。ストーリーを終える頃には、敵国であるソトアに対する心象が当初から少々変わっている人もいるだろう。

もちろんキャラクターたちも魅力的過ぎる仕上がりであり、味方であっても敵であっても感情移入しやすく、それでいて心に残る人物達が揃っている。中には色々と濃い人物もいるのだが、それはそれで愛嬌がある感じのキャラ付けがなされている。
音楽と効果音が盛り上げる戦闘のリアリティ
これまでも評価されてきたエースコンバットシリーズの音楽、ならびに効果音。今作では前作エースコンバット7で好評だった効果的な音楽の使い方を更に洗練。シーンの盛り上げ方はピカイチと呼べるレベルにまで仕上がっている。

今作で僚機を務める「コスター」は音楽が好きでエレキも弾くキャラクターであり、無線で音楽を披露するシーンや自身が尊敬するバンドメンバーとの邂逅を果たすシーンが用意されている。彼の「音楽」もまた、窮地を脱するための重要なファクターとなっており、音楽好きなキャラクターが見受けられるエースコンバットシリーズの中でも、その音楽要素がぴったりとストーリーにハマったキャラだと言っても過言ではない。
なお筆者のオススメは、ミッション04「序数艦隊壊滅戦」で流れる「Elder Hand」。滅茶苦茶盛り上がること請け合いであるし、コレ以外の楽曲も当然どれも素敵である。
戦闘機の選出は「現代目線」
今回もいろいろな戦闘機が登場しているが、幾つかの機体は御役御免となっている。代表的なのは「YF-23」「Su-37」が挙げられる。これら2機は愛好者が多かった機体でもあるが、今回は「F-22」「Su-57」が出ていることもあり、現状試作機にまで回せる余地が無かったのだろう。

前作の7では戦闘機どころかマルチロール機優勢に近い、だいぶ偏ったバランスであった。だが、今作はそういった不安は払拭されており、むしろミッションに沿った機体をきっちり使いこなすことが肝心である。筆者はロシア機(Su系列)を愛好しており、マルチロール機の「Su-47」「Su-33」をはじめ、攻撃機の「Su-34」や次世代機の「Su-35S」「Su-57」などを作戦によって使い分け、いろいろなミッションを乗り切ることが出来た。攻撃機も十分活躍の余地があるどころか、ミッションによっては攻撃機の独壇場となるものも存在する。機体数も豊富であるため、この機会にぴったり来る一機を見つけてみるのも良いだろう。
エースコンバット8は「買い」?
ここまで読んでくれた方は言うまでもないだろうが、エースコンバット8は「買い」のソフトか否かと聞かれれば、まさしく「買い」だろう。特にスペック面で難儀しないPS5版であれば即座に手を伸ばして欲しい。一方でSteam版はパソコンで動作するため、パソコン側のスペックと要相談という形になる。エースコンバット7が余裕で動いていたからといって、8も同様に動くわけではないからだ。
とはいえ「これのために新規PC買う?」と言われたら、「買えるならまずは買え、そして遊べ」とまで言い切ってしまう程には素敵な一作である。筆者はまだキャンペーンモードの攻略のみではあるが、ここにオンラインの協力戦要素が加わるとなると、その楽しさはまだまだ膨れ上がるだろう。

3Dシューティングが苦手だからと敬遠してしまっていた方にこそ手にとってもらいたい、そんな素敵なACE COMBAT 8:WINGS OF THEVEは2026年10月2日に発売だ。
